知的障害のある中学生の保護者の方へ。『高等支援学校』という選択肢

お子さんが中学生になると、卒業後の進路について悩み、胸を痛める場面も増えてくるのではないでしょうか。
「地域の普通科高校では、勉強についていけるか心配……」
「かといって、特別支援学校を選ぶほどではない気もする……」
そんなふうに、「ちょうどいい選択肢がない」という葛藤を抱えている保護者の方は少なくありません。
勉強だけでなく、将来の就職や自立に向けたスキルもしっかり身につけてほしい――そう願うからこそ、迷いは深まるばかりですよね。
もし今、お子さんの進路で行き詰まりを感じているのなら、「高等支援学校」という選択肢について知ってみませんか?
今回は、普通科高校とも特別支援学校とも少し違う、この「高等支援学校」について詳しく解説します。
学校の特色や入試のこと、そしてどんなお子さんが輝ける場所なのか。
「こんな道もあったんだ」と、お子さんと一緒に未来の可能性を広げるヒントになれば幸いです。
新しい選択肢! 大阪府の「高等支援学校」とは? 〜職業学科としての特色〜

「特別支援学校なら知っているけれど、高等支援学校とは何が違うの?」
「特別支援学校の高等部と同じではないの?」
そのように疑問に思われている保護者の方も多いのではないでしょうか。
名前が似ているため混同されがちですが、実はカリキュラムや目指すゴールには明確な違いがあります。
ここでは、高等支援学校が「職業学科」としてどのような専門教育を行う場所なのか、そして従来の「特別支援学校」や地域の「高等学校(普通科)」とどのような違いがあるのかを、具体的に解説していきます。
卒業後の「一般就労(企業就労)」を見据えた、実践的な学びの場について詳しく見ていきましょう。
高等支援学校の要は「職業教育」と「就労支援」
高等支援学校の最大の特徴、それは徹底した「職業教育」と手厚い「就労支援」にあります。
主に知的障がいのある生徒を対象とし、3年間という限られた期間で、卒業後の「一般就労」(企業への就職)を実現するための力を集中的に育成する学校です。
「社会的自立」を目指す、専門的な教育課程
高等支援学校の使命は、生徒の「就労を通じた社会的自立」です。
この明確なゴールを達成するために、教育課程(カリキュラム)、実習体制、そして入学者の選抜プロセスに至るまで、極めて実践的かつ専門的に設計されています。
一般的な高等学校や、生活面での自立支援も含む特別支援学校(高等部)とは異なり、生徒を「将来の職業人」として育成することに特化したカリキュラム編成が大きな特色です。
授業の大半を占める「作業学習」と「実習」
高等支援学校では、国語や数学などの普通教科だけでなく、週の授業の大半を「専門教科」が占めます。
実際の仕事現場に近い環境で行う「作業学習」や、企業での「現場実習」が中心となります。
【主な専門コースの例】
- 食品加工(製パン・製菓・調理補助など)
- 流通サービス(物流・品出し・接客販売など)
- ビルメンテナンス(清掃技能・環境整備など)
- 福祉(介護補助・リネン類管理など)
- オフィスワーク(データ入力・事務補助など)
このように、座学以上に「働くための実践スキル」を徹底して磨く点が、他の学校種とは大きく異なる、高等支援学校ならではの強みと言えます。
「高校」や「支援学校 高等部」との違いは?
ここでは、特別支援学校の高等部や、一般的な高校とどのような違いがあるのかを解説していきます。
一般的な高校(普通科・専門学科)との違い
まず、もっとも大きな違いは「入学者選抜(入試)」の形式と評価の視点にあります。
一般的な公立高校(普通科など)の入試では、主にペーパーテストによる「学力検査」と中学校からの「調査書(内申書)」に基づき合否が判定されます。
これは、高校での高度な普通教育や専門教育を修めるための「学力」があるかを評価することに主眼が置かれているためです。
これに対し、高等支援学校(職業学科)の入試は、あくまでも「就労による社会的自立」という教育目標を達成できるかを判断するものです。
そのため、評価の基準は「学力」そのものではなく、職業生活に必要な「適性」、働くことへの「意欲」、そして基礎的な「職業準備性」が備わっているかどうかに特化しています。
試験の内容も対照的です。
普通高校が「学術的な能力」を測る筆記試験中心であるのに対し、高等支援学校では「職業人としての適性」や「自立能力」を多角的に見るための「適性検査」と「面接」に重点が置かれています。
ここに、両者の教育目的の決定的な違いが現れています。
その結果、入学後の「教育課程(カリキュラム)」も大きく異なります。
地域の高等学校でも就職サポート(進路指導)は行われますが、高等支援学校は学校生活のすべてが「一般就労」の実現に向けて構成されているという点で、より専門性が高い学校と言えます。
| 比較項目 | 一般的な高等学校(普通科・専門学科) | 高等支援学校(知的障がい職業学科) |
|---|---|---|
| 評価の主眼 | 基礎学力、思考力、高度な専門知識を修得する能力 | 就労準備性、職業訓練への適性、自立意欲、生活能力 |
| 学力検査 | 実施される(国数英理社などの筆記試験) | 実施されない、または適性検査(筆答)が基礎的な認知能力や指示理解の確認として行われる |
| 実技/適性検査 | 一部の専門学科や体育科などで実施 | 適性検査(作業)が実施され、合否の主要な判断材料となる |
| 応募資格の前提 | 中学校卒業見込みのみ(学力基準) | 知的障がいの認定(療育手帳所持または公的機関による判定)が必須 |
| 通学要件 | 特になし | 自主的な通学が可能であることが必須要件とされる |
従来の「特別支援学校(高等部)」との違い
次に、これまで一般的だった「特別支援学校(高等部)」と、高等支援学校の違いについて解説します。
最も分かりやすい違いは、学校の設置形態と専門性の高さにあります。
従来の特別支援学校は、小学部・中学部・高等部が併設されているケースが多く、肢体不自由や病弱など、多様な「障がい種別」の生徒が共に学ぶ場です。
ここでは、生活の自立から学習まで、幅広い支援が行われています。
一方、高等支援学校は「高等部のみ(単独設置)」の学校であり、対象を原則として「知的障がい」のある生徒に絞っています。
その最大の目的は、生徒の「職業的自立」です。
幅広い支援を行う特別支援学校に対し、高等支援学校は「一般就労」という明確なゴールに向けたカリキュラムが組まれています。
そのため、学校というよりも「職業訓練校」としての性格(専門性)を非常に強く持っている点が、大きな違いと言えるでしょう。
| 比較項目 | 高等支援学校(職業学科) | 他の障害種別を含む支援学校高等部 |
|---|---|---|
| 教育目標の重点 | 企業就労を目標とする。卒業後の進路は一般企業への就職(就職率100%を目指す) | 自立と社会参加の資質育成。進学、就労、施設利用など進路が多様。 |
| 入学者選抜 | 入学試験を実施する | 多くの学校で競争性は低く、教育的ニーズに基づく入学者決定が行われる。 |
| 必須要件 | 療育手帳または知的障がい判定が必須。 | 対象となる障害の認定が要件。 |
| 通学形態 | 自主的な通学が可能であることが必須要件(スクールバスなし) | スクールバスが運行されている場合が多い。 |
うちの子も対象? 大阪府の高等支援学校「応募資格」のポイント

ここからは、大阪府における高等支援学校の「応募資格(受験資格)」について解説します。
一般的な高等学校や特別支援学校(高等部)とは要件が異なる部分があるため、受験を検討される際は事前の確認が欠かせません。
① 居住地および卒業見込みの要件
- 居住地:原則として、志願者本人および保護者の住所(住民票上の居所)が大阪府内にあること。
- 卒業見込み:中学校、義務教育学校、特別支援学校の中学部などを卒業、または修了する見込みであること。
転居の予定がある場合など、個別の事情に関しては「大阪府教育委員会」へ確認することをおすすめします。
②障害の認定要件(知的障がい者であること)
出願には、以下のいずれかに該当する必要があります。
- 療育手帳を所持している者。
- または、児童相談所等の公的機関により知的障がいを有すると判定を受けた者であること。
高等支援学校は「知的障がい」のある生徒を専門対象としています。
そのため、知的障がいを伴わない「発達障がい」のみの生徒は、原則として対象外(出願不可)となる点にご注意ください。
③ 自主通学の要件
- 自主的な通学が可能である者であること。
高等支援学校(職業学科)では、「自主通学が可能であること」が必須条件となります。
一般的に、特別支援学校にはスクールバスがありますが、高等支援学校にはスクールバスの運行はありません。
電車やバスなどの公共交通機関を利用して、自力で登校する必要があります。
これは、卒業後の「企業就労」を見据え、毎日の通勤に必要な「移動の自立(移動能力)」や生活スキルを入学段階から求めているためです。
そのため、入学を検討する段階から、公共交通機関を使って一人で移動する練習をしておくことが大切です。
入試(入学者選抜)はいつ? 何をするの?

ここからは、直近(2024年度・2025年度)の実績と今後の予定を参考に、高等支援学校の「入学者選抜」がどのような内容で、いつ行われるのかを具体的に解説していきます。
入学者選抜の時期(令和7年度/令和8年度)
高等支援学校の入学者選抜は、例年2月中旬から下旬にかけて実施され、3月上旬に合格発表が行われます。
【入学者選抜(本選抜)の日程】
| 項目 | 令和8年度 (2026年実施予定) | 令和7年度 (2025年実施) |
|---|---|---|
| 出願期間 | 2月16日(月)〜 2月17日(火) | 2月14日(金)〜 2月17日(月) |
| 面接 | 2月19日(木) | 2月20日(木) |
| 適性検査(検査) | 2月20日(金) | 2月21日(金) |
| 合格者発表 | 3月2日(月) | 3月3日(月) |
【補充入学者選抜の時期】
通常の選抜で定員に満たなかった場合のみ、3月下旬に「補充入学者選抜」が実施されます。
こちらでは適性検査は行われません。
| 項目 | 令和8年度 (2026年実施予定) | 令和7年度 (2025年実施) |
|---|---|---|
| 出願期日 | 3月24日(火) | 3月25日(火) |
| 面接 | 3月25日(水) | 3月26日(水) |
| 合格者発表 | 3月26日(木) | 3月27日(木) |
入学者選抜の具体的な内容と評価基準
大阪府の高等支援学校の入学者選抜は、「調査書」「推薦書」「適性検査」および「面接」の結果を資料として、校長が総合的に判断します。
一般的な公立高校入試のような「学力検査(5教科のテスト)」を実施しない点が大きな特徴ですが、学校での勉強が全く関係ないわけではありません。
あくまで評価の主眼が、知識の量ではなく「就労準備性」にあるという点がポイントです。
具体的な試験内容(適性検査)について見ていきましょう。
適性検査(検査)
生徒の職業訓練への適性、基礎的な認知能力、指示理解力、作業の正確性などを測ります。
1. 適性検査(筆答)(40分間) 高度な学力ではなく、社会生活や就労に必要な「基礎的認知スキル」や「情報処理能力」を評価します。
- 出題例:
- 漢字の読み書き(例:新聞、出勤、給食当番など生活に即したもの)
- 連語や接続詞の選択
- 実用的な文章・図表の読解(時刻表、グラフ、スケジュール表、手紙など)
- 計算、金銭管理
- 進路に関する記述(例:「入学後に頑張りたいこと」等を80〜100字で記述)
2. 適性検査(作業)(10分間) 実際の就労現場で求められる「作業能力」「持続力」「巧緻性(手先の器用さ)」といった実践的な技能と態度を評価します。
- 出題例:
- 図形の仕分け
- 指示書に基づいたシール貼り
- 立体的な組み立て
面接
適性検査の前日(令和8年度は2月19日)に実施されることが一般的です。
基礎的な「コミュニケーション能力」や「学習意欲」、本人の志望動機などが確認されます。
提出書類
調査書・推薦書:中学校長が作成し、学習状況や生活態度が評価されます。
自己申告書:志願者本人が記述し、志望動機や就労への意欲をアピールします。
「共生推進教室」の選抜内容の違い
大阪府立高等学校の中に設置されている「共生推進教室」も高等支援学校の分教室という位置づけですが、選抜内容は本校(高等支援学校)とは異なります。
- 検査:学力検査、適性検査(作業・筆答)ともに実施しません。
- 評価資料:調査書、推薦書、および面接の内容のみで総合的に判断します。
共生推進教室は、選抜方法だけでなく、入学後のカリキュラムなども高等支援学校とは異なります。
詳細については、以前解説した共生推進教室の記事もあわせてご参照ください。

受験に向けて、今からできること(準備と対策)

ここからは、高等支援学校を視野に入れているご家庭が、今から取り組んでおくべき「準備」と「受験対策」について解説します。
希望すれば全員が入学できる特別支援学校(高等部)とは異なり、高等支援学校には定員があり、「入学者選抜(入試)」が行われます。
学校によっては倍率が高くなることもあり、適性検査の内容も独自の対策が必要です。
「なんとかなる」と思わずに、親子で計画的に準備を進めていくことが大切です。
【最優先】学校見学・説明会への参加
「百聞は一見にしかず」です。
まず何よりも優先すべきは、学校見学やオープンスクールへの参加です。
- 通学ルートのシミュレーション: 見学の際は、実際に利用する公共交通機関を使って移動してみましょう。「自主通学」が可能かどうか、体力的に無理がないかを確認する絶好の機会です。
- 学校の雰囲気を見る: 実際に通っている生徒の様子や、実習設備を見ることで、お子さんがその学校で過ごす姿を具体的にイメージできます。文化祭などのイベントに参加したり、実習製品の販売会へ行くのも良いでしょう。
- カリキュラムの確認: 各学校で設置されている「専門学科」や、取得できる資格が異なります。お子さんの適性に合う作業内容かを確認しましょう。
中学校の先生との「進路懇談(三者面談)」
学校でのお子さんの様子を客観的に把握しているのは、やはり担任の先生です。
- 適性の相談: お子さんが高等支援学校の教育内容に合っているか、また合格の可能性がどの程度あるか、率直に相談しましょう。
- 支援学級担任との連携: もし現在、支援学級や通級指導教室を利用している場合は、必ずその担当の先生にも懇談に同席してもらいましょう。専門的な視点からのアドバイスは非常に重要です。
- 過去の進学実績の確認: 同じ中学校から、高等支援学校や「共生推進教室」へ進学した先輩がいるか聞いてみましょう。過去の事例やデータは、志望校決定の大きな判断材料になります。
ご家庭での「受験対策」と「基礎力強化」
家庭でできる準備は、勉強だけではありません。
高等支援学校が求めるのは「職業人としての素地」です。
以下の3つのポイントを意識して生活しましょう。
基本的生活習慣と移動能力の強化
意外と見落としがちですが、合否や入学後の生活を左右するのが「生活力」です。
- 移動の自立: 試験当日だけでなく、入学後の「現場実習」では、初めて行く実習先へ自力で通勤する必要があります。通学ルートだけでなく、様々な公共交通機関に一人で乗れるよう練習しておきましょう。
- 社会的マナー: 挨拶、返事、時間を守る、身だしなみを整える。これらは社会人(就労)に必須のスキルとして評価されます。
面接の練習
中学校でも面接練習は行われますが、家庭でも回数を重ねることが大切です。
まずは「面接」という改まった形式に慣れることから始めましょう。
志望動機や「頑張りたい作業学習」などを、自分の言葉で伝えられるよう練習します。
適性検査に向けた学習対策
「適性検査」突破には、独特の問題形式への慣れが必要です。
- 基礎学力: 少なくとも小学6年生修了レベルの漢字の読み書き、四則計算はマスターしておきましょう。
- 過去問対策: 大阪府教育委員会のWebサイトなどで公開されている「過去問」に必ず取り組みましょう。高等支援学校の入試では、指示を聞き取って作業する問題や、独自の図表読解などが出題されます。
- 初めて見ると戸惑う問題も多いため、何度も解いて形式に慣れておくことが、合格への近道です。
初めて見ると戸惑う問題も多いため、何度も解いて形式に慣れておくことが、合格への近道です。
大阪府にはどんな高等支援学校があるの?(学校一覧)

大阪府には、高等支援学校が5校あります。
ここでは、それぞれの学校の特色や設置されている学科など、基本情報をわかりやすく解説していきます。
府内に5校のみですので、通学可能な範囲かどうかもあわせてチェックしてみてください。
大阪府立すながわ高等支援学校
〜全学科共通で「清掃・物流」スキルを育成〜
すながわ高等支援学校は、卒業後の安定した雇用を目指し、カリキュラムが高度に最適化された学校です。
特定の職種に偏らない、汎用的な就労スキルの育成に力を入れています。
専門学科の構成
以下の3つの学科があります(総合募集)。
- ものづくり科
- 食とみどり科
- せいかつサービス科
職業教育の特色
この学校の大きな特徴は、どの学科に所属していても、全員が共通して「清掃」「接客・販売・物流」を学ぶ仕組み(職業共通学科)があることです。
- 共通科目:週に12〜15コマの職業に関する授業があり、その中で職種の枠を超えた基礎スキルを習得します。
- 実践的な指導:企業の人事担当者による面接指導(例:あしすと阪急阪神)や、1年生からの職場体験など、外部と連携した実践的なキャリア教育が充実しています。
- 住所:〒590-0522 大阪府泉南市信達牧野40-1
- アクセス:和泉砂川駅から約徒歩11分
- ホームページ:大阪府立すながわ高等支援学校
大阪府立たまわが高等支援学校
〜ローテーション体験で自分に合う仕事を発見〜
たまがわ高等支援学校は、職業教育に特化した「職業学科」として、生徒の適性を見極めるためのユニークなシステムを採用しています。
設置学科
- ものづくり科
- 福祉・園芸科
- 流通サービス科
特色あるカリキュラム
- ローテーション方式:入学後の約半年間(1年前期)は、全生徒がすべての専門分野(木工、園芸、物流など)を体験します。
- 学科決定:さまざまな作業を経験した上で、本人の適性と希望を考慮し、1年後期から正式に所属学科を決定します。ミスマッチを防ぎ、納得して専門学習に進めるのが魅力です。
実践的な取り組み
- カフェ「たまがわ」:地域住民に向けたカフェ運営を通じ、接客やコミュニケーション能力を養います。
- 共生推進教室の本校:枚岡樟風高校やみどり清朋高校などにある「共生推進教室」の拠点校でもあり、週1回は共生推進教室の生徒も本校で共に職業教育を受けます。
- 住所:〒578-0925 大阪府東大阪市稲葉2丁目3-25
- アクセス:河内花園駅から約徒歩14分
- ホームページ:https://www2.osaka-c.ed.jp/tamagawa-ks/
大阪府立とりかい高等支援学校
〜北大阪の就労支援拠点! 厳格な生活指導でプロを育成〜
とりかい高等支援学校は、北大阪エリアの就労支援拠点として、企業で働き続けるための「責任感」や「態度」の育成に特に力を入れています。
専門学科の構成
- 生産技術科(木工・組立など)
- 食とみどり科
- 生活科学科(介護・クリーニング・手芸製造販売など)
就労に直結する指導
- 勤怠管理の徹底:毎朝タイムカードを打刻し、遅刻指導を厳格に行うなど、会社員さながらの生活管理が行われます。
- 段階的な実習:1年生から企業での職場体験実習をスタートし、段階的にスキルを磨きます。
- 共生推進教室の本校:千里青雲高校や北摂つばさ高校などの「共生推進教室」の拠点校としての役割も担っています。
- 住所:〒566-0062 大阪府摂津市鳥飼上1丁目1番15号
- アクセス:バス停 上鳥飼北から約徒歩8分
- ホームページ:https://www.osaka-c.ed.jp/torikai-ks/
大阪府立なにわ高等支援学校
〜都市型産業に対応した細分化されたコース設定〜
なにわ高等支援学校は、大阪市内の都市部という立地を活かし、オフィスワークやビルメンテナンスなど、都市型産業に対応した実践教育を行っています。
細分化された専門学科
- クリエイティブワーク科(マシンワーク、ファームワーク)
- ライフサービス科(ケアサポート、フードサービス)
- サービス・ビジネス科(クリーニング、オフィス)
特に「サービス・ビジネス科」では、事務補助やビルクリーニングなど、都市部のオフィス街での就労を見据えた教育が充実しているのが特徴です。
指導の重点
「体力」「マナー」「技能」の3つを柱に、職業人としての基礎を徹底します。
専門的な設備が整った教室で、より現場に近い環境での実習が行われています。
- 住所:〒556-0027 大阪市浪速区木津川2-3-30
- アクセス:芦原橋駅から約徒歩8分
- ホームページ:https://www2.osaka-c.ed.jp/naniwa-ks/
大阪府立むらの高等支援学校
〜「天の川カフェ」運営や地域連携で社会性を育む〜
むらの高等支援学校は、地域に開かれた活動を通じて、生徒の社会的自立と豊かな人間性を育む教育を行っています。
職業学科の構成
- プロダクトデザイン科(木工・窯業など)
- フードデザイン科(農園芸・食品加工など)
- リビングデザイン科(クリーニング・福祉など)
入学直後はすべての分野を体験し、1年生の9月以降に専攻学科を決定するシステムをとっています。
特色ある取り組み
- 天の川カフェ:校内でカフェを運営し、地域の方々との交流を通じて実践的な接客スキルを学びます。
- 共通科目:「キャリアデザイン」や「流通サービス」など、学科に関わらず全員が学ぶ教科があり、働く意義や自己理解を深めます。
- 充実した実習:1年生から淀川河川公園での実習を行うなど、学年に応じたきめ細やかな実習スケジュールが組まれています。
- 住所:〒573-0042 大阪府枚方市村野西町60−1
- アクセス:村野駅から約徒歩4分
- ホームページ:https://www.osaka-c.ed.jp/murano-ks/
【まとめ】「働きたい」という思いをカタチにする、新しい選択肢

お子さんの「働きたい」「社会の役に立ちたい」という気持ちを、専門的な「職業教育」と手厚い「就労支援」でバックアップする場所。
それが「高等支援学校」です。
一般的な高等学校や、生活面の自立も含む従来の特別支援学校とは異なり、卒業後の「一般就労(企業就労)」と「社会的自立」という明確なゴールに特化した、第3の進路選択肢と言えます。
「うちの子には少しハードルが高いかもしれない……」 そう感じてしまうこともあるかもしれませんが、最初から選択肢を狭めてしまうのはもったいないことです。
まずは保護者の方が正しい情報を「知る」ことから始めてみませんか?
もし少しでも気になる学校があれば、ぜひ学校説明会やオープンスクールに足を運んでみてください。
実際のカリキュラムや生徒たちの生き生きとした姿を、お子さんと一緒に「見て、感じる」ことが、未来の可能性を広げる大きな一歩になるはずです。
今回の記事が少しでも役に立てば嬉しいです。
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