子どもが勉強しないで疲れた…発達障害の可能性と対処法【元中学校教員】

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話すだけで、不思議と**「自分一人じゃない」**と感じられて、心が軽くなります。

話す相手が見つからない場合は、SNSで同じ悩みを持つ保護者の方の発信を見るだけでも、気持ちが楽になることがあります。

「もう、何度言っても勉強しない…」
「子どもの勉強を見るたびに、イライラしてしまう」
「教えていると、こっちが先に疲れてしまう」

そんなふうに、毎日ヘトヘトになっていませんか?

大丈夫です。あなたは決して悪い親ではありません

むしろ、お子さんの勉強のことを真剣に考えているからこそ、疲れているのです。

はじめまして。
はなたに塾の塾長・花谷です。

僕は元々、中学校教員と特別支援学校教員として8年以上、教育現場で働いてきました。
教室で「勉強しない子」「勉強でつまずく子」を、本当にたくさん見てきました。

その経験から断言できます。

「子どもが勉強しないのには、必ず理由がある」ということを。

そして、その理由の中には、発達障害の特性が関係しているケースも少なくありません。

この記事では、

  • 発達障害の可能性を含めて「なぜ勉強しないのか」
  • 保護者が疲れすぎないための関わり方
  • 子どもが無理なく勉強を続ける方法
  • 「勉強しなくてもいい」と思える心の整理

についてお伝えします。

「子どもの将来が心配」「でも、もう疲れた…」——そんな保護者の方の心が、少しでも軽くなるきっかけになれば嬉しいです。

目次

「子どもが勉強しない」と疲れる前に知ってほしい3つのこと

まず、ここで一度立ち止まって、3つの大切なことをお伝えさせてください。

「勉強しなさい!」と何度も言うのに疲れた保護者の方には、特に読んでほしい内容です。

「勉強しない」のは、お子さんの怠けではない

「うちの子は怠けている」「やる気がない」——そう感じてしまう瞬間、ありますよね。

でも、お子さんが勉強しないのには、必ず理由があります

教員として多くの子どもを見てきた経験から、「勉強しない子」の多くは、次のような状況にあります。

  • わからなさすぎて、何から手をつけていいか見えない
  • 努力しても結果が出なかった経験で、自信を失っている
  • 発達障害の特性で、座って勉強することが極端に苦手
  • 不登校・登校しぶりで、心のエネルギーが枯渇している
  • 親に「勉強しなさい」と言われすぎて、勉強そのものが嫌いになっている

「怠けている」ように見える子も、実は心の中では「やらなきゃ…」と思っていることが多いんです。

「教えるたびにイライラする」のは、保護者のせいじゃない

「子どもの勉強を見ていると、イライラが止まらない」
「優しく教えようと思っていたのに、つい怒鳴ってしまう」

こうして自分を責めている保護者の方、たくさんいらっしゃいます。

でも、それは保護者が悪いわけではありません

親が我が子に勉強を教えるのは、教師が他人の子に教えるよりも、何倍も難しいことです。

理由は簡単で、「期待」と「愛情」が強すぎるから。

  • 「自分の子だから、ちゃんとできてほしい」
  • 「将来困らないように、今のうちに」
  • 「私の言うことを聞いてほしい」

こうした親心があるからこそ、できないことに焦り、イライラしてしまうのです。

だから、親が我が子に勉強を教えるのは、プロの教師でも難しいくらい。
外部の力を借りていいということを、まず知っておいてください。

「勉強しない時期」があってもいい

「今、勉強していないと取り返しがつかない」
「みんなはやっているのに、うちの子だけ遅れている」

そんな焦りを感じている保護者の方、多いと思います。

でも、人生で「勉強しない時期」があっても、十分取り返せます

僕が出会ってきた生徒の中には、

  • 中学2年から3年まで完全に不登校で、勉強もまったくしていなかった子
  • 小学校から不登校で、漢字も九九も怪しかった子
  • 教室で鉛筆を持つことすら拒否していた子

そんな子たちが、ある日を境に「勉強したい」と動き出して、自分の進路を切り拓いていく姿を、何度も見てきました。

大切なのは、「今、勉強しているかどうか」ではなく、「将来勉強したくなったときに、その気持ちを応援できる環境があるか」です。

焦らなくて大丈夫。お子さんは、お子さんのペースで動き始めます。

なぜ子どもは勉強しないのか?発達障害の可能性も含めた原因

「うちの子だけ、なぜこんなに勉強しないんだろう?」

その疑問の答えを探していくと、実は発達障害の特性が関係しているケースが少なくありません。

ここでは、子どもが勉強しない4つの原因と、それぞれの対処法をお伝えします。

もし「うちの子に当てはまる」と感じる項目があれば、それはお子さんを理解する大きなヒントになります。

勉強の内容が「わからなさすぎる」(学習障害の可能性)

子どもが勉強しない一番多い理由は、シンプルに「わからないから」です。

「読めば理解できるはず」と思っていませんか?
でも、もしお子さんが学習障害(LD)の特性を持っている場合、こんなことが起きている可能性があります。

学習障害の特性で「勉強できない」サイン

  • 文字を読むのが極端に遅い(読字障害/ディスレクシア)
  • 漢字や英単語を何度練習しても覚えられない(書字障害/ディスグラフィア)
  • 計算や文章問題が極端に苦手(算数障害/ディスカリキュア)

学習障害は、知的発達に遅れはないのに、特定の学習だけが極端に苦手という特性です。

こうしたお子さんに「読みなさい」「書きなさい」「計算しなさい」と求めるのは、「目が悪い人にメガネなしで字を読みなさい」と言っているようなもの

本人はとても努力しているのに、できないんです。

学習障害の子への対処法
  • タブレットの音読機能を使う
  • 書く量を減らして、選択式の問題にする
  • 電卓の使用を許可する
  • 学年を遡って、わかるところからやり直す

「やり方」を変えるだけで、嘘のように勉強し始めるお子さんはたくさんいます。

集中力が続かない・じっとしていられない(ADHDの可能性)

「机に向かわせても、5分でフラフラ立ち歩いてしまう」
「すぐ別のことに気を取られて、宿題が終わらない」

こんな様子があるなら、ADHD(注意欠如・多動性障害)の特性が関係しているかもしれません。

ADHDの特性で「勉強しない」サイン

  • じっと座っていることが極端に苦痛
  • 少しの音や動きで集中が途切れる
  • 宿題のプリントや教科書をどこに置いたか忘れる
  • 「やらなきゃ」と思っているのに、なぜか手がつかない
  • 問題を最後まで読まずに答えてしまう

ADHDのお子さんは、「やる気がない」のではなく、「集中という機能が脳の特性として続かない」だけです。
本人も「なんでできないんだろう」と苦しんでいることが多いんです。

ADHDの子への対処法
  • 学習時間を10〜15分の短い区切りにする
  • タイマーで「あと〇分」を視覚化する
  • 静かな環境で勉強する
  • 立ったまま勉強してもOKにする
  • 得意な教科から始める

「行儀よく座って勉強する」より、「結果として学習が進む方法」を選んであげてください。

勉強の場面で強い不安やこだわりが出る(ASDの可能性)

「勉強の手順が変わるとパニックになる」
「特定の問題で固まって動けなくなる」
「『だいたいでいいよ』と言うと混乱する」

こうした様子があるなら、ASD(自閉スペクトラム症)の特性が関係している可能性があります。

ASDの特性で「勉強しない」サイン

  • 教室や勉強部屋の音や光が気になりすぎる(感覚過敏)
  • 解き方の手順が変わると、それまでできていた問題ができなくなる
  • 「だいたい」「適当に」というあいまいな指示が理解できない
  • 興味のある分野は驚くほど集中できるが、興味のない教科は完全拒否
  • 「完璧にできないなら、やらない」という極端な反応

ASDのお子さんは、「いつもと同じ」「明確な指示」があると、本来持っている力を発揮できます。

ASDの子への対処法
  • 勉強の手順をパターン化する(毎回同じ流れで進める)
  • 「ここからここまで」と明確に範囲を示す
  • 「だいたい」「適当に」を避けて、具体的な指示を出す
  • 静かな環境を整える(イヤーマフなども有効)
  • 興味のある分野から学習を広げる

心が疲れきっている(不登校・登校しぶり)

発達障害の特性とは別に、「心のエネルギーが枯渇している」状態でも、子どもは勉強しません。

不登校・登校しぶりの状態にあるお子さんは、こんな状況にあります。

心が疲れているサイン

  • 朝、布団から出られない
  • 何をしても楽しくなさそう
  • 些細なことで泣く・キレる
  • ゲームやスマホばかり触っている
  • 自分の部屋に閉じこもる時間が増えた

こうしたサインは、「心が休息を求めている」というSOSです。

この状態のお子さんに「勉強しなさい」と言うのは、風邪で寝込んでいる人にマラソンを強要するようなもの
逆効果になってしまいます。

不登校・登校しぶりの子への対処法
  • まずは「勉強しなさい」と言わない
  • 十分に休ませる(数週間〜数ヶ月かかることも)
  • ゲーム・スマホを無理に取り上げない
  • 「学校に行かなくていい」と伝える
  • 小さな「楽しいこと」を一緒に探す

心が回復してくれば、お子さんは自然と次の一歩を踏み出します
焦らないでください。


ここまで、お子さんが勉強しない4つの原因と対処法をお伝えしました。

大切なのは、「勉強しない=悪いこと」と決めつけないこと

お子さんの背景には、必ず理由があります。
その理由を理解できれば、保護者の方の心も少し軽くなるはずです。

もし「うちの子は発達障害かもしれない」と感じたら、医療機関での相談も選択肢の一つです。
診断を受けることで、お子さんへの理解が深まり、適切なサポートを受けやすくなります。

※発達障害について詳しくは、こちらの記事もご覧ください

次の章では、それでも疲れてしまった保護者の方が、自分の心を守る方法をお伝えします。

保護者が「もう疲れた」と感じた時の対処法

ここまで、お子さんが勉強しない理由について書いてきました。

でも、原因がわかっても、毎日のしんどさはすぐには消えません

「頭ではわかっているけど、やっぱりイライラしてしまう」
「もう、自分が壊れそう…」

そんな状態の保護者の方に、今すぐできる5つの対処法をお伝えします。

「勉強しなさい」を一旦やめてみる

一番効果的で、一番難しいのが、「勉強しなさい」と言うのをやめることです。

「言わなかったら、絶対に勉強しなくなる…」と心配になりますよね。

でも、教員として多くの子どもを見てきてわかったのは、「言われ続けると、子どもは勉強が嫌いになる」ということ。

「勉強しなさい」と言うたびに、お子さんの中では「勉強=嫌なもの」というイメージが強化されていきます。

まずは1週間だけ「勉強しなさい」と言わないチャレンジをしてみてください。

不思議なことに、保護者が黙っていると、子どもの方から勉強の話を始めることもあります。
「勉強しなさい」と言わない時間は、お子さんが自分で考える時間でもあるのです。

教えるのをやめて「見守る」に切り替える

「親が教えるとイライラしてしまう」のは、ごく自然なことです。

親には「自分の子だから、ちゃんとできてほしい」という強い感情があるからです。

プロの教師でも、自分の子に教えるのは難しいという人がたくさんいます。

だから、もし「教えるのがしんどい」と感じたら、教える役割を手放す選択をしてください。

  • 問題集を渡して、自分のペースで進めてもらう
  • わからないところは、お子さんから聞かれたときだけ答える
  • 塾や家庭教師など、外部の力を借りる

親の役割は「教える人」ではなく、「見守る人」「応援する人」で十分です。

親の「自分時間」を意識的に作る

子どもの勉強に向き合っていると、つい自分のことが後回しになりませんか?

でも、保護者自身が疲れ切っていては、お子さんに優しく接することはできません。

飛行機の安全説明を思い出してください。

「酸素マスクは、まずご自身に装着してから、お子様にお手伝いください」

これと同じです。
まず保護者自身の心を満たすことが、お子さんへの最高のサポートになります。

自分時間の例
  • 朝、お子さんが起きる前に温かいコーヒーを一杯飲む
  • 子どもが寝た後、好きなドラマや本の時間を作る
  • 週に1回、1人カフェ1人散歩の時間を持つ
  • 月に1回、美容院やマッサージでリフレッシュする

「自分のために時間を使う」ことに罪悪感を持たないでください。

保護者の笑顔こそが、お子さんにとっての一番の安心材料です。

信頼できる人に「話す」だけで楽になる

「子どものことで悩んでいる」と、誰かに話したことはありますか?

一人で抱え込んでいると、悩みは雪だるま式に大きくなっていきます。

話す相手は、誰でも構いません。

話す相手の選択肢
  • 配偶者・家族
  • 同じ立場の保護者の友人
  • 学校の担任やスクールカウンセラー
  • 発達障害の親の会などのコミュニティ
  • 塾や家庭教師の先生
  • 市町村の子育て相談窓口

話すだけで、不思議と「自分一人じゃない」と感じられて、心が軽くなります。

話す相手が見つからない場合は、SNSで同じ悩みを持つ保護者の方の発信を見るだけでも、気持ちが楽になることがあります。


プロの力を借りていい(むしろ借りるべき)

ここまでの対処法を読んで、わかってはいるけど、実行できない…」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

それで全然大丈夫です。家庭だけで解決しようとしないでください

プロの力を借りるのは、「諦める」のではなく「一歩進む」ことです。

頼れる専門家
  • 個別指導塾:お子さんの特性に合わせた指導
  • 家庭教師:自宅で1対1の指導
  • 発達障害の専門医:診断や療育のアドバイス
  • スクールカウンセラー:学校での悩み相談
  • 児童精神科医:心の状態のケア
  • 療育機関:発達支援

教員時代、僕は何度も思いました。

「保護者の方が、もっと早く専門家に頼っていれば、お子さんも楽になれたかもしれない」と。

「プロに頼る=親として失格」では決してありません。
むしろ、「お子さんの可能性を最大限伸ばすための賢い選択」です。


ここまで、保護者が疲れた時の5つの対処法をお伝えしました。

どれか1つでも「これならできそう」と感じたものがあれば、今日から試してみてください

大切なのは、完璧にやることではなく、少しずつでも「保護者自身が楽になる選択」をすることです。

次の章では、お子さんが無理なく勉強を続けるための具体的な方法をお伝えします。

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