元教員が教える!不登校になってもやって欲しいおうち時間の過ごし方
「学校に行きたくない…」
お子さんからそんな言葉を聞いたとき、あなたはどう感じましたか?
「なぜうちの子が?」「これからどうすればいいの?」
そんな不安や悩みを抱えている方も多いかもしれません。
学校に行かないという選択は、決して悪いことではありません。
それは、お子さんが自分自身と向き合い、新しい道を模索するための大切な時間です。
そして、そんな時間を有意義にするには、実は「おうち時間」が重要になってきます。
この記事では、不登校のお子さんを持つ親御さんに向けて、おうち時間を有効活用し、再登校や今後の進学について役に立つ情報をご紹介します。
不登校中の過ごし方で気をつけたいこと
学校に行かないという選択は、お子さんにとってメリットもデメリットもあることを、100人以上の不登校の生徒を見てきた元教員としての経験から、お伝えします。
ここでは、特に注意していただきたい3つのポイントをご紹介します。
学年相応の学習
不登校になると、お子さんの学習状況が気になりますよね。
高校進学を目指す場合、基礎学力は欠かせません。たとえ進学が目標でなくても、将来の可能性を広げるため、今のうちにしっかりと学習を進めておくことは大切です。
不登校期間が長引くと、学習の遅れを取り戻すのが難しくなることもあります。
だからこそ、できるだけ早く学年相応の学習を進めることをおすすめします。
最近では、低価格で質の高いオンライン授業も増えています。
自宅で自分のペースで学習できるため、一人で集中して勉強したいお子さんには最適です。
苦手科目だけ受講したり、学年を遡って復習したりと、柔軟な学習計画を立てられるのも魅力です。
オンライン学習が難しい場合は、塾や家庭教師の利用も検討してみましょう。
プロの指導を受けることで、効率的に学習を進められます。
また、学習面だけでなく、精神的なサポートも期待できます。
お子さんの性格や学習スタイルに合わせて、最適な学習方法を選びましょう。
不登校中でも、諦めずに学習を続けることで、お子さんは自信を取り戻し、将来への希望を見出せるはずです。
保護者の方は、お子さんの学習を温かく見守り、励ましてあげてください。
そして、必要に応じて、専門機関や学校の先生に相談するなど、サポート体制を整えることも大切です。
さらに詳しく知りたいひとは、下記の記事も参考にしてください。
規則正しい生活習慣
不登校になると、学校に通う必要がなくなり、自由な時間が増えます。
好きなことや興味のあることに没頭できる一方で、昼夜逆転などの不規則な生活に陥りやすいという落とし穴も潜んでいます。
特に小学生や中学生は、心身ともに大きく成長する時期です。
夜更かしや不規則な食事、運動不足などは、成長を妨げたり、健康を害したりする可能性があります。
規則正しい生活習慣は、健やかな成長と、将来の高校生活を充実させるための土台となります。
また、不規則な生活は、友達との生活リズムを合わせにくくし、人間関係を希薄にしてしまうこともあります。
現代では、オンラインで繋がることができますが、身近な友達の存在は、学習や進路、学校への再登校を考える上で大きな支えとなります。
規則正しい生活を送ることで、友達との時間を共有し、充実した人間関係を築くことができるでしょう。
規則正しい生活習慣を心がけることで、以下のようなメリットがあります。
- 心身の健康維持: 十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動は、心身の健康を維持するために不可欠です。
- 学習効率の向上: 規則正しい生活は、集中力や記憶力を高め、学習効率を向上させます。
- 生活リズムの安定: 決まった時間に起床し、食事や学習、睡眠などのスケジュールを立てることで、生活リズムが安定し、心身ともに落ち着いて過ごせます。
- 自己肯定感の向上: 規則正しい生活を送ることで、達成感や自己肯定感を高め、前向きな気持ちで高校生活をスタートできます。
- 社会性・コミュニケーション能力の向上: 規則正しい生活は、友達との時間を作りやすく、社会性やコミュニケーション能力の向上にも繋がります。
規則正しい生活を送ることは、決して簡単なことではありません。
特に、不登校で気持ちが落ち込んでいるときは、なおさら難しいかもしれません。
しかし、少しずつでも良いので、早寝早起き、バランスの取れた食事など、できることから始めてみましょう。
健康的な生活習慣
私がこれまで関わってきた不登校の生徒の中には、残念ながら健康的な生活習慣が身についていないケースが少なくありませんでした。
具体的には、「毎日歯磨きをする」「毎日お風呂に入って頭と体を洗う」「適度な運動をする」という、基本的な3つの習慣ができていない生徒が非常に多かったのです。
不登校になると、外出する機会が減り、人に見られる機会も減るため、どうしても身だしなみを気にしなくなる傾向があります。その結果、歯磨きや入浴を怠ったり、運動不足になったりしがちです。
特に運動不足は、心身に悪影響を及ぼします。
体を動かす機会が減ると体力が低下し、疲れやすくなってしまいます。
すると、何をするにもやる気が起きず、無気力感に陥ってしまうことも。
また、睡眠の質も低下し、さらに悪循環に陥る可能性もあります。
健康的な生活習慣は、心身の健康だけでなく、学習意欲や集中力にも良い影響を与えます。
高校進学に向けて学習を進めていくためにも、健康な体と心は欠かせません。
毎日10~15分程度の運動を心がけましょう。
激しい運動が苦手な場合は、近所を10分間散歩するだけでも構いません。
散歩中に自然を感じたり、外の空気を吸ったりすることで、気分転換にもなります。
また、歯磨きや入浴も、心身の健康を保つ上で重要な習慣です。
毎日きちんと行うことで、清潔感を保ち、自信を持つことにも繋がります。
これらの基本的な生活習慣は、一見当たり前のことのように思えますが、不登校の状況では意識的に取り組む必要があります。体力はあらゆることに繋がりますので、ぜひ意識して生活に取り入れてみてください。
保護者の方々も、お子さんの生活習慣をサポートしてあげてください。
一緒に散歩に出かけたり、バランスの良い食事を用意したり、規則正しい生活リズムを促したりするなど、できることから始めてみましょう。
不登校中におすすめの過ごし方
ここからは、実際に不登校のお子さんや保護者の方から聞いた、自宅での過ごし方についてご紹介します。
お子さんの状況やご家庭によってできること、できないことがあると思いますが、少しでも参考になれば幸いです。
興味関心を広げる
学校に行かない時間を、お子さんの興味のあることに使うのは素晴らしいことです。
お子さんの可能性を広げ、自信をつけ、将来への選択肢を増やすことにも繋がります。
ここでは、特におすすめの3つの過ごし方をご紹介します。
部活動やクラブチームに入る
学校に通っていなくても、部活動やクラブチームに参加しているお子さんは意外と多いです。
体を動かすことで体力もつき、友達とのコミュニケーションを通して社会性も身に付きます。
スポーツだけでなく、文化系の部活動やクラブチームもありますので、お子さんの興味に合わせて探してみてください。
- メリット:
- 体力向上、健康維持
- 協調性、コミュニケーション能力の向上
- 同じ趣味を持つ仲間との出会い
- 達成感、自信の獲得
- ポイント:
- お子さんの興味や体力に合った活動を選ぶ
- 無理のない範囲で参加する
- 保護者も積極的にサポートする
図書館や博物館、美術館に行く
公立の図書館や博物館、美術館は、小中学生であれば低価格で利用できることが多いのでおすすめです。
展示内容も定期的に変わるので、一年を通して楽しむことができます。
落ち着いた雰囲気の中で、自分のペースで興味のあることを深く学ぶことができます。
- メリット:
- 知的好奇心の刺激
- 知識、教養の向上
- 創造性の育成
- 静かで落ち着いた環境でのリフレッシュ
- ポイント:
- お子さんの興味に合わせた施設を選ぶ
- 図書館のイベントやワークショップに参加する
- 読書感想文コンクールなどに応募してみる
プログラミング教室などの趣味の教室に通う
プログラミング教室以外にも、絵画、音楽、語学など、様々な趣味の教室があります。
大人に混じって、周りの目を気にせず自分の趣味に没頭できる環境は、お子さんの成長を大きく後押ししてくれるでしょう。
- メリット:
- 特定分野のスキル向上
- 創造性、表現力の育成
- 集中力、忍耐力の向上
- 幅広い年齢層との交流
- ポイント:
- お子さんの興味に合った教室を選ぶ
- 体験レッスンに参加してみる
- 作品発表会などに参加して成果を共有する
これらの活動を通して、お子さんは新たな発見や出会いがあり、視野が広がるでしょう。
また、自信をつけ、自己肯定感を高めることにも繋がります。
ぜひ、お子さんの興味関心を広げるため、これらの過ごし方を検討してみてください。
生活スキルを身につける
学校では、掃除や調理実習などを通して、自然と生活スキルを身につける機会があります。
しかし、自宅ではそのような機会が限られてしまうため、お子さんの将来の自立を考えると、家庭でも積極的に生活スキルを身につけることが大切です。
1. 料理や掃除、洗濯などの家事
家事を学ぶことは、メリットばかりでデメリットはありません。
料理を通して栄養バランスや食の安全について学んだり、掃除を通して清潔な環境を保つことの大切さを実感したり、洗濯を通して衣類の扱い方を学んだりすることができます。
まずは親子で一緒に取り組み、少しずつお子さんに任せられることを増やしていくのがおすすめです。
例えば、簡単な料理から始め、徐々に難易度の高い料理に挑戦したり、自分の部屋の掃除から始め、徐々に家全体の掃除を手伝ったりするなど、段階的にステップアップしていくと良いでしょう。
家事を手伝うことで、「自分は周りの役に立っている」という実感を得られ、自己肯定感が高まるという大きなメリットもあります。また、家族の一員としての責任感を育むことにも繋がります。
2. 金銭管理やスケジュール管理
学校では時間割があり、スケジュール管理がされていますが、家庭ではそうではないことが多いですよね。
大人でもそうですが、スケジュールが決まっていないと、ついダラダラと過ごしてしまいがちです。
そこで、お子さんには自分でスケジュール管理ができるようになってもらうことが大切です。
まずは、1日のスケジュールを一緒に立てるところから始め、徐々に自分で計画を立てられるように促しましょう。
また、金銭管理も、将来自立した生活を送る上で欠かせないスキルです。
お小遣い帳をつけたり、必要なものを買うために予算を立てたりするなど、実践的な経験を通して金銭感覚を養うことが重要です。
欠かせないスキルです。
不登校のお子さんは、学校での生活スキル習得の機会が限られてしまいます。
しかし、家庭での時間を有効活用することで、将来役立つスキルを身につけることができます。
家事や金銭管理、スケジュール管理など、できることから少しずつ始めてみましょう。
これらのスキルは、お子さんの自立を促し、自信を与えるだけでなく、家族との絆を深めることにも繋がります。
学校に通わなくても成長できる!
元教員として、私は学校が子どもたちの成長を促すための環境が整っていることを実感してきました。
規則正しい生活、集団行動、学習、友達との交流など、学校生活を通して得られる経験は、子どもたちの成長に大きく貢献します。
しかし、それはすべての子どもたちにとって最適な場所とは限りません。
それぞれの子どもには、個性や特性、そして成長のペースがあります。
学校という環境が合わないと感じ、不登校という選択をするお子さんもいるでしょう。
不登校は、決してネガティブなことばかりではありません。
学校に行かない時間を利用して、自分のペースで興味のあることを探求したり、新たな才能を発見したりするチャンスにもなります。
また、家族との時間を大切にしたり、自分自身と向き合う時間を増やしたりすることで、内面的な成長を遂げるお子さんもいるでしょう。
大切なのは、お子さんの選択を尊重し、温かく見守ることです。
不登校という状況を悲観するのではなく、お子さんの成長をサポートするための新たな視点を持つことが重要です。
例えば、お子さんが興味を示すことには積極的に関わってみましょう。
読書が好きなら図書館に一緒に行ったり、絵を描くのが好きなら画材を揃えてあげたり、プログラミングに興味があるならオンライン講座を探してみたり。
学校以外の場所で、お子さんの才能が開花するかもしれません。
また、コミュニケーションを大切にし、お子さんの気持ちをしっかりと受け止めてあげましょう。
焦らず、お子さんのペースに合わせて、ゆっくりと寄り添うことが大切です。
不登校のお子さんの成長は、目に見えにくいこともあるかもしれません。
しかし、学校に通わなくても、お子さんは日々成長しています。
その成長を信じて、温かく見守り、応援し続けることが、保護者としての大切な役割です。
学校という枠にとらわれず、お子さんの可能性を信じ、共に未来を描いていきましょう。
不登校という経験も、お子さんの人生にとって貴重な学びとなるはずです。
今回のブログ記事が、少しでも皆様の参考になれば幸いです。
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