不登校 家での過ごし方|小中高別のコツとスケジュール例を元教員が解説

「学校に行きたくない」――お子さんからそんな言葉を聞いたとき、保護者の方の頭には、たくさんの疑問が浮かんだのではないでしょうか。
- 不登校のあいだ、家でどう過ごせばいいの?
- 1日のスケジュールは、どう組めばいい?
- 小学生・中学生・高校生で、気をつけることは違うの?
この記事を読むと、次のことがわかります。
- 不登校中の家での過ごし方で「気をつけたい3つのこと」
- そのまま使える「1日のスケジュール例」
- 興味を広げ、生活スキルを身につける具体的な過ごし方
- 小学生・中学生・高校生それぞれのコツ
私は元中学校教員・元特別支援学校教員として、これまで100人以上の不登校の子どもたちと関わってきました。
その経験から、家での時間を「成長の時間」に変えるヒントを、できるだけ具体的にお伝えします。
不登校中の家での過ごし方で気をつけたい3つのこと

学校に行かないという選択は、決して悪いことではありません。
それは、お子さんが自分自身と向き合い、新しい道を探すための大切な時間です。
ただ、家で過ごす時間が増えるからこそ、少しだけ気をつけたいポイントがあります。
これまで100人以上の不登校の子どもたちと関わってきた経験から、特に大切な3つをご紹介します。
なお、不登校になったばかりで「まず何をすればいいか」に迷っている方は、不登校の初期対応のポイントもあわせてご覧ください。

① 学年相応の学習を、できる範囲で続ける
不登校になると、お子さんの学習の遅れが気になる方は多いと思います。
高校進学を考える場合はもちろん、進学が目標でなくても、基礎学力は将来の選択肢を広げてくれます。
不登校の期間が長くなると、遅れを取り戻すのが大変になることもあります。
だからこそ、無理のない範囲で、できるだけ早く学年相応の学習に触れておくことをおすすめします。
最近は、低価格で質の高いオンライン教材も増えました。
自宅で自分のペースで進められるので、一人で集中したいお子さんに向いています。
苦手な科目だけ、あるいは学年をさかのぼっての復習など、柔軟に計画を立てられるのも魅力です。
オンラインが合わない場合は、塾や家庭教師という選択肢もあります。
学習面だけでなく、精神的な支えになることも少なくありません。
大切なのは、保護者の方が学習を温かく見守り、励ますことです。
そして必要に応じて、専門機関や学校の先生に相談しながら、サポート体制を整えていきましょう。

② 規則正しい生活リズムを保つ
学校に通わなくなると自由な時間が増える一方で、昼夜逆転などの不規則な生活に陥りやすくなります。
特に小学生・中学生は、心も体も大きく成長する時期です。
夜更かしや不規則な食事、運動不足は、成長や健康に影響することがあります。
規則正しい生活は、心身の健康を保ち、学習に向かう力の土台になります。
また、生活リズムが乱れると、友達と時間が合わなくなり、人とのつながりが薄くなりがちです。
身近な友達の存在は、再登校や進路を考えるうえで大きな支えになります。
とはいえ、気持ちが落ち込んでいるときに、いきなり生活を立て直すのは簡単ではありません。
「早寝早起き」「決まった時間の食事」など、できそうなことから少しずつ始めれば十分です。
③ 健康的な生活習慣(歯みがき・入浴・運動)を意識する
これまで関わってきた不登校の子どもたちの中には、「毎日歯をみがく」「毎日お風呂で頭と体を洗う」「適度に体を動かす」という基本的な習慣が、いつの間にか抜けてしまっているケースが少なくありませんでした。
外出や人に会う機会が減ると、どうしても身だしなみへの意識が下がりがちです。
特に運動不足は、体力の低下 → 疲れやすさ → 無気力、という悪循環につながることがあります。
睡眠の質にも影響します。
毎日10〜15分でかまいませんので、体を動かす時間を作りましょう。
激しい運動が苦手なら、近所を10分散歩するだけでも十分です。
外の空気を吸うことが、気分転換にもなります。
歯みがきや入浴も、清潔感を保ち、自信につながる大切な習慣です。
これらは一見当たり前のようでいて、不登校の状況では意識しないと続きにくいものです。
保護者の方も、一緒に散歩に出かけたり、バランスのよい食事を用意したりと、できることから支えてあげてください。
【例】不登校の子の1日のスケジュール

「家でどう過ごせばいいかわからない」というときは、1日の大まかな流れを決めておくと、生活リズムが整いやすくなります。
下の表は、あくまで一例です。お子さんの状態に合わせて、できそうなところから取り入れてみてください。
| 時間帯 | 過ごし方の例 |
|---|---|
| 朝(7:00〜8:00) | いつもと同じ時間に起き、歯みがき・洗顔・着替え・朝食 |
| 午前(9:00〜11:30) | 学習タイム(オンライン教材や塾の課題を集中できる範囲で)+軽い運動や散歩 |
| 昼(12:00〜13:00) | 昼食・休憩 |
| 午後(13:00〜16:00) | 趣味や興味のある活動(読書・創作・プログラミングなど)+家事のお手伝い |
| 夕方〜夜(17:00〜) | 夕食・1日の振り返り・入浴。決まった時間に就寝 |
最初から全部を守る必要はありません。
「朝起きる時間だけ」「学習を15分だけ」など、ハードルを下げて、続けられたら少しずつ増やしていくのがコツです。
スケジュールを一緒に作ること自体が、お子さんの自己管理の練習にもなります。
不登校中におすすめの家での過ごし方

ここからは、実際に不登校のお子さんや保護者の方から聞いた、家での過ごし方をご紹介します。
ご家庭やお子さんの状況によってできること・できないことがあると思いますので、参考になりそうなものから取り入れてください。
興味・関心を広げる
学校に行かない時間を、お子さんの「好き」に使うのは素晴らしいことです。
可能性を広げ、自信につながり、将来の選択肢を増やしてくれます。
部活動やクラブチームに参加する
学校に通っていなくても、地域のクラブチームや習い事に参加している子は意外と多いです。
体力がつき、仲間とのやりとりを通して社会性も育まれます。
スポーツに限らず、文化系の活動もあります。
お子さんの興味と体力に合った活動を、無理のない範囲で選ぶのがポイントです。
図書館・博物館・美術館に行く
公立の図書館や博物館・美術館は、小中学生なら低価格で利用できることが多く、おすすめです。
展示は定期的に変わるので、一年を通して楽しめます。
静かな環境で、自分のペースで興味を深められます。
図書館のイベントや読書感想文コンクールに挑戦してみるのも、よい刺激になります。
趣味の教室に通う
プログラミング、絵画、音楽、語学など、さまざまな教室があります。
大人に混じって、周りの目を気にせず好きなことに没頭できる環境は、お子さんの成長を後押ししてくれます。
まずは体験レッスンから始めてみましょう。
生活スキルを身につける
学校では掃除や調理実習などを通して、自然と生活スキルが身につきます。
家庭ではその機会が限られるからこそ、将来の自立に向けて、家でも意識して取り入れたいところです。
料理・掃除・洗濯などの家事
家事を学ぶことに、デメリットはありません。
料理から栄養や食の安全を、掃除から清潔を保つ大切さを、洗濯から衣類の扱いを学べます。
まずは親子で一緒に取り組み、少しずつ任せる範囲を増やしていきましょう。
「自分は役に立っている」という実感は、自己肯定感を高めてくれます。
金銭管理・スケジュール管理
学校には時間割がありますが、家庭ではそうもいきません。
1日の計画を一緒に立てるところから始め、徐々に自分で立てられるよう促しましょう。
お小遣い帳をつけたり、買い物の予算を立てたりといった経験は、将来の自立に欠かせない金銭感覚を育てます。
【小中高別】家での過ごし方のコツ

家での過ごし方の基本は共通ですが、学年によって意識したいポイントは少し変わります。
小学生の場合
まずは「朝起きる」「食事の時間」を一定にすることから。
生活リズムが整うと、心も安定しやすくなります。
学習は15〜30分の短い時間を何回かに分け、ゲーム感覚のドリルやタブレット教材を活用すると続けやすいです。
公園での遊びや散歩、保護者と一緒の料理・お手伝いも、体力づくりと自己肯定感につながります。
この時期は、安心できる環境と、スキンシップ・会話を何よりも大切にしてあげてください。
中学生の場合
高校進学を意識し始める時期です。
焦らせる必要はありませんが、基礎学力を維持しておくと、後で選択肢が広がります。
1日のスケジュールを自分で立てる練習を始めるのもこの時期です。
プログラミングやスポーツ、創作など興味のある分野を深めると、進路のヒントにもなります。
部活やクラブ、オンラインなど、同年代とのつながりを細くても保てると安心です。
高校生の場合
高校生は、進路の選択肢が大きく広がる年代です。
今の学校が合わないと感じても、通信制高校・定時制高校・高卒認定試験など、毎日通わずに学び、進学や卒業を目指す道があります。
在宅でのオンライン学習を続けながら、興味を資格や仕事につなげていく視点も持てるとよいでしょう。
あわせて、金銭管理や自炊などの自立スキルを意識しておくと、進学後の一人暮らしや就職にも役立ちます。
不登校からの高校受験について詳しくは、『不登校の高校受験はどうなる?大阪の選択肢と対策』をご覧ください。


学校に通わなくても、子どもは成長できる

元教員として、学校が子どもの成長を支える環境であることは、よくわかっています。
規則正しい生活、集団での活動、学習、友達との交流――学校生活から得られるものは、確かに大きいです。
しかし、それがすべての子どもにとって最適な場所とは限りません。
一人ひとりに個性や特性、成長のペースがあります。
学校という環境が合わず、不登校という選択をする子もいます。
不登校は、ネガティブなことばかりではありません。
学校に行かない時間を使って、自分のペースで興味を探求したり、新しい才能に出会ったりすることもあります。
家族との時間や、自分自身と向き合う時間を通して、内面的に大きく成長する子もいます。
大切なのは、お子さんの選択を尊重し、温かく見守ることです。
読書が好きなら一緒に図書館へ、絵が好きなら画材を、プログラミングに興味があるなら講座を――学校以外の場所で、才能が花開くかもしれません。焦らず、お子さんのペースに寄り添ってください。
不登校の子の成長は、目に見えにくいこともあります。
それでも、学校に通っていなくても、子どもは日々成長しています。
その成長を信じて見守り、応援し続けることが、保護者にできる何よりのサポートです。

家での過ごし方や勉強のこと、不登校についての不安など、気になることがあればいつでも気軽にご相談ください。
大阪府枚方市で、完全1対1の個別指導を行っています。
